埼玉県和光市の及川社会保険労務士事務所

就業規則の作り方 vol.3how-to-make-regulations-3

 今回は、労働時間についての規定の作り方を紹介します。
“労働時間”とは労働者が会社で仕事をする時間のことですが、普段意識するよりも法律的には広い範囲で考えられています。
これをしっかりと規定しておくだけでなくできるだけ“理解”をしておかないと、“未払い残業”が発生したり、不必要に多い残業代を支払うことになったりする場合があります。
規定を作る時は、できるだけ注意深く、そしてわかりやすく作成してください。

労働時間の作り方

 労働時間とは「使用者の指揮監督のもとに労務についている時間」です。
”使用者の指揮監督のもとに労務についている時間”といってもイメージしづらいかもしれませんが、簡単に言ってしまうと、始業時間から終業時間までの業務を行ってる時間のような、上司や会社の指示に従う義務が発生する時間です。
その他にも業務の準備に必要な時間や、就業時間に業務を行わず待機をしていた時間(手待ち時間)も場合によっては労働時間になります。
また、労働基準法上の労働時間の概念として「法定労働時間」「所定労働時間」「実労働時間」というものがあり、これらを理解することが、労働時間の規定を作る際、重農なものとなっています。

それぞれを簡単に説明をすると・・・
法定労働時間:法律で決められた一日や一週間の間で、労働者を働かせることができる時間の上限です。
       (1日8時間、1週間40時間となっています。※例外あり)
所定労働時間:会社が就業規則などで決めた、労働者が働かなければいけない時間です。
       (法定労働時間を超える時間は、設定できません。)
実労働時間 :実際に労働者が働いた時間のことです。
       (実際の働いた時間なので法定の時間を超える“残業”もあり得ます。)

★【所定労働時間】

上にも書きましたが、「所定労働時間」は会社が設定できる、労働者が働かなければいけない時間です。
会社が決められるからと言って、自由に時間を延ばせるわけではなく、法定労働時間を超えない範囲でなければ規定できません。
(法定労働時間とは1日8時間、1週間40時間※例外あり)
法定労働時間を超えて労働させた場合は割増賃金が発生し、25%上乗せした賃金を支払わなければならなくなりますので注意が必要です。

(所定労働時間)
第〇条 所定労働時間は、休憩時間を除き1日につき8時間とし始業及び終業の時刻は以下の通りです。

始業時間 午前9時00分
終業時間 午後6時00分

 2  前項の始業時間、終業時間は、業務の都合または交通機関の遅れなどにより、全部または一部の
    社員に対し、変更することができる。
    ただし、変更した場合でも、1日の労働時間が前項の時間を超えることは無いものとする。

※その他、規定する際に間違えないようにしなければならないものを書きます。
・<教育・研修の時間>
 所定労働時間内に行った場合は労働時間になります。
 さらに時間外だからと言って、参加を義務にすると労働時間となります。
・<健康診断>
 一般の健康診断は労働になるかどうかは労使の取り決めによります。
・<昼休みの電話番や来客当番>
 上司から指示などがあり、自由な休憩を与えなかった場合は労働時間となります。
・<自発的な残業>
 明確な指示がない場合でも、労働時間になる場合が多いと思われます。

現在、会社でどのように扱っているかをもう一度見直し、”未払い残業”を防止してください。

★【事業場外労働】


「事業場外労働」とは、営業マンの様な方が会社の外で営業活動をしたり出張中などの時間を言います。
こういった場合、使用者が適切に労働時間を把握、管理することができません。
この様な労働時間は所定労働時間勤務したものとみなすと労働基準法に規定があります。
この規定も就業規則にて規定しておきます。

(事業場外労働)
第〇条 外勤、出張その他会社外で業務に就く場合で、労働時間を算定しがたいときは、所定労働時間勤務
    したものとする。

★【休憩時間】

 「休憩時間」とは労働者が労働から離れることを保証された時間です。
休憩時間は6時間を超えて働いた場合は45分、8時間を超えて働いた場合は60分とらせることが労働基準法にて決められています。
また、与え方も一斉に与えることと、自由に利用させることが原則とされています。
ただし、この原則には例外があり、小売業や飲食業などの一部の業種は一斉に与えなくても問題なく、それ以外でも業務の都合上、一斉に与えることが難しい場合は労使協定を結ぶことで、一斉に与えないことができるようになります。
さらに、児童養護施設など、一部業種は自由に利用させるという原則が適用されません。

(休憩時間)
第〇条 休憩時間は以下の通りとする。ただし、社員の過半数を代表する者と別途協定した場合は、その協定に
    よるものとする。

    12:00 から 13:00 まで

★【休日】

 「休日」とは就業規則などであらかじめ定めた、労働の義務が発生しない日です。
休日も労働基準法での決まりがあり、少なくとも1週間に1日の休日を与える必要があります。これを法定休日といいます。
原則は暦日で考えて1日だが、交代制で勤務をする事業場などで、暦日での1日が難しい場合は連続24時間の休日でも問題はありません。
この法定休日に労働させた場合は、割増賃金として35%アップの賃金を支払う義務が発生することも注意してください。

なお、多くの会社で採用している週休二日制では、どちらか片方で労働させたからと言って35%アップの割増賃金を支払わなければいけないわけではないので給与計算などする際に間違えないようにしてください。

(休日)
第〇条 休日はつぎのとおりとする。
    ①毎週、土曜日・日曜日
    ②国民の祝日に関する法律に定める休日
    ③年末年始
    ④夏季
    ⑤その他会社が定める日


労働時間は、会社で働く人にとって重要な要件ですし、興味を引く箇所でもあります。
また、労働の争いになった場合、ほとんど間違いなく話題に出てくる場所でもあります。
今後多くなるのでは?と言われている“未払い残業”もこの労働時間の本題です。
実際に働いている人、会社を経営している人、法律と立場が違うと考え方や見方が変わってしまいますが、問題が起こった場合は“法律”に則った考え方をしていないと、会社に大きなダメージが与えられてしまいます。
就業規則は“法律”に沿った考え方で作り、運用する際もできるだけ理解するように心がけてください。

ですが、”労働時間”は細かい規定や変形労働のような原則から少しズレた働き方なども沢山あり、なかなか難しいものとなっております。
困った際は、お気軽にお問い合わせください。
一日でも早い対応がダメージを減らす、もっとも効果的な対応だと及川は思います。

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