埼玉県和光市の及川社会保険労務士事務所

労働トラブル~休業手当って?~trouble-6

大学生Aくんは一生懸命に就職活動を行い、Xという製造業の会社に内定をすることができました。
内定式も行い、4月から社会人として責任をもってX社で仕事をする日を希望と少しの不安を持ちながら心待ちにしていました。

~4月~
X社は業績不振により業務が激減してしまい、新入社員のAくんにまわせる業務がなくなってしまいました。
仕方なくX社はAくんに“自宅待機”を命じ“5月”より勤務させるように決定をし、Aくんに通達しました。

そこで、通達を受け取ったAくんは不思議に思い、X社に質問をしました。
「4月の給料はどうなるんですか?」

これを聞かれた時の会社の反応で多いのは
「自宅待機なので給料はでません。」という答えではないでしょうか?
会社側にたって考えると、働いて無いのに給与を出すことは無いから当然だろと考えてしまいますが
実は給料を支払わないと労働基準法違反になってしまい、最悪2倍の金額を支払う必要が出てしまう場合があります。


仕事をしていないのに給与が必要?

普通は仕事をしていなければ給与は支払わなくても何の問題もありません。
たとえば・・・

044-photo・風邪をひいて欠勤してしまった
・寝坊して遅刻をしてしまった
・どうしても外せない私用の用事があって早退した

この様な場合は、働かなかった分の給与をカットしても問題にはなりません。

しかし・・・
・材料が届かないから仕事が遅れた
・予定していた仕事がなくなってしまったから休みにした
・業績が悪く人件費をカットするために休ませた

この様な場合にはすべて“休業手当”が必要となり給与の一部を支払う必要が出てしまいます。
※裁判など司法の場に出た場合、100%の給与を支払う必要が出てくることもありますが、今回は労働基準法のみを考えます。

これは、休みの原因が会社にあるんだから責任をとって給与を払いなさいという考えのものです。
この考えが根本にあるので、“働かせていないから給与はいらない”とはすぐに考えないようにしてください。

休業手当とは?

労働基準法26条に規定してある条項で“使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の休業手当を支払わなければならない。”というものです。
簡単に解説すると、会社の都合で休ませた場合、会社は労働者の生活の保護の為に
60%の給与を支払わなければならない
というものです。

〈知っておきたい知識〉

司法の場で類推適応される民法の規定は、民法536条2項で“債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。”となっているもので、こちらでは100%払えと規定されています。
裁判など司法の場に行くとこちらを適用しようとしてくるので、裁判にしない方が得策だと思います。


トラブル防止には・・・

047-photo上で紹介したような案件の場合、給与を支払わずに休ませるのは難しいと思います。
どのように対応すればいいのか・・・

実は従業員さんにしっかりと説明して、納得してもらうしかありません。

会社で、どのようにルールを作っても、労働基準法で“会社責任の休みには休業手当を支払え”と規定してあるので支払いを逃れることはできません。
民法の536条2項の方は契約書などにより決めておくことで回避できたりもしますが、労働基準法の方では全く通用しません。
しっかりと説明し納得をしてもらい、柔軟に対応してもらうしか現状対策はありません。

生活の糧である給与を会社が握っているので、基本、労働契約上では会社の方が強いため、たとえ不満があっても言ってこない従業員の方が多いと思います。
ですが、会社には言えないが不満をため込んでいる従業員は沢山います。
何も言ってこないから大丈夫とは考えずに、誠実に対応することがトラブル回避の一番の近道です。

労働トラブルになってしまうと、会社は一気に弱者に転落してしまいます。


最後に・・・

063-photo会社として何か対応はできないのか?
と聞かれると、上に挙げたような理由では難しいといわざるを得ません。
何度も繰り返しになってしまいますが、労働基準法の前では、会社は弱者です。

何かトラブルになりそうな事案がありましたらすぐにご連絡ください。
胃病でも早い対応で、会社へのダメージを最小限にしましょう!!

今、お困りの方や、不安のある方は、ぜひ一度ご相談ください。
お話をお伺いし、最善の解決法をご案内いたします。


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